J-REITがここのところ全体に値を下げています。
アメリカに続いて、EUでも金融緩和に終わりを告げる方向に傾きつつあるようであり、今後の金利上昇を見込んでの価格低下が主たる要因と思っていたら、どうやらそうではなく毎月分配型投信からの資金流出の影響の方が大きいようです。
毎月分配型の投資信託は、高齢者を中心に日本の投資信託市場で大人気を誇ってきました。もともと長期的には、投資効率が悪いことは指摘されていたのですが、高齢者の場合、長期的な展望よりも、少しは運用できて毎月分配金が入るので、自分で取り崩す手間が省けることが喜ばれていたようで人気がありました。
ところがここに来て、金融庁からの強力な指導(?)。毎月分配型の投資信託は長期投資に不適格だとの公式なお達しがでてから、資金流出が急増。ついに資金流入より資金流出が上回る状態にまでなったとのことです。
毎月分配型の投信が分配金を出すために、比較的利回りの良いJ-REITをかなり買っていたようで、今度は資金流出に伴いJ-REITを大量に売っていることがJ-REITの価格低下につながっているのです。
長期的には、いずれ日本も金融緩和からの出口を探らなければいけなくなりますので、いつまでも低金利の恩恵にあずかれるわけではなく、どこかで金利上昇の影響は受けることになります。
しかしながら、当面は、東京に限れば、オフィスの空室率も低くまだまだ十分稼げるものと思います。そして現在の大幅な価格低下が需要と供給の関係によるものであるならば、J-REITへの投資は有望であると考えます。
あとは下値がどの程度かというところが問題です。